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たそりんご

子どもが入院!!病棟ってどんなところ?その1 〜安全に入院生活をおくるために知っておきたいこと〜

育児

2017
1/29

[記事公開日] 2017/01/29
[最終更新日] 2018/12/13

子どもが入院したときってどうしたらいいの?
手術のための予定入院もあれば、病気をこじらせて緊急入院になってしまった場合もあり、様々な理由で大切な我が子が病院で療養生活を強いられることがあるかもしれない。
初めての入院は親も子も不安で、しんどいことばかりである。

実は先日リンゴがとある病気になり、一週間程緊急入院をした。
そこで今回は、入院生活で必要なものや、あれば便利なもの・病院での一日の過ごし方、親が付き添う場合に必要なものや心構えなどを紹介するよ。
また、親目線での気持ちはもちろんお伝えするのだけれど、私tasoringoは以前実際に病棟で(小児科ではないが)勤務していた経験があるため、医療関係者目線での ” こうしてくれたらありがたい・こんな患者(家族)は困る “ といった目線でもお伝えしていきたいと思います。
物凄い量の情報量になってしまいそうなので、久しぶりにシリーズ物として何回かに分けてお伝えしていくよ。
第一弾は、入院生活していく上で、子どもが安全に療養できるように保護者が気をつけたいことを述べるね。

入院には2つの種類がある

予定入院と緊急入院とがあるよ

外来通院していて、手術や検査などが必要な場合は、予定を組んで入院の日を決めることが多い。
これを ” 予定入院 “ という。
予定入院では予め持っていくものを準備できるため、必要なものを万全の状態で揃えておくことができるし、
親としても心の準備や家をあける場合の段取り・きょうだいの預け先などを考えることができるため、緊急入院よりは難易度は簡単だ。
これに対し、外来受診(救急受診)したときに、急な病状の悪化のためこのまま入院して医療管理が必要な場合には、一刻も早く治療を開始しなければならないことがある。
治療内容が濃厚であったり密な観察が必要である場合は、即入院することを強いられる。
これを ” 緊急入院 “ と言う。私たちは医療用語で ” 即入 “ とも呼ぶ。

でも初めての場合は未知の世界であり、不安はつきもの。このページでしっかりおさらいをして、入院に臨んでいただきたい。

小児科は親子でニコイチ

何事も、保護者を含めた説明と同意のもとで治療がおこなわれる

小児科入院で一番特徴的なのが、診察・入院生活中は保護者が必ず付き添いをしなければいけないということだ。
未成年なので、検査・処置・手術などは全て保護者の同意のもと行われる。
もちろん本人にも年齢に応じ、説明や同意を得ていき、子どもの意思も尊重する。
ただ治療には痛みや不安を伴うものが多いので、拒否したり泣き叫んだりして治療に応じない場合がほとんどだ。
しかし判断能力がない子どもが、この目の前にある嫌な措置を拒否したがために、今後の人生に不利益が生じてしまうなど考えるわけがない。
そこで保護者が責任を持って、子どものことを思って説明を受け、治療に同意してもらうことが必要になってくる。
父親・母親が両方いる場合は、両親感で情報共有をしっかりして、お互いに治療方針が食い違わないように必ずすり合わせを行っておこう。

事故が起こらないように、目を離さないで!

これは看護師目線で、声を大にして言いたい。
病院は安全なところだという認識があるかもしれないが、思っているより危険がたくさんある場所だ。

医療機器

ベッドサイドや周囲は危険な医療機器がたくさんだ。
ぐったりしてしんどいときは興味もないだろうが、少し元気になってきた頃にベッド周りの環境は子どもの目にどう映るだろうか?
普段見慣れない面白そうな医療機器がたくさん!触りたくなるよね…
でも、とっても危険。特によく出くわす状況と、注意したいことを挙げていくよ。

点滴の針や支柱台

点滴の針は、素人でも分かるぐらいパッと見からして危険なもの。
触ると、せっかく痛い思いをして入れてもらった針が血管からズレてしまい、薬液が漏れたり刺入部から血が出てくる。
そして再留置するハメにになるね…
大抵の小児科では、シーネ固定して包帯(や、チューブ包帯)でぐるぐるに巻いて隠してくれる。
外して弄くらないように注意しよう。
支柱台は長くて重くて大変危険。倒れてくると打撲や骨折などにつながる。
地面に接する根本の部分はローラーがついているので、勢い良く押して遠くに行ってしまわないように気をつけよう。
刺入部ごと引っこ抜かれちゃうからね…(怖っ)

輸液ポンプ、シリンジポンプ

輸液ポンプとは、一時間あたり1〜500mlの点滴を厳密に滴下管理してくれる機械のこと。
シリンジポンプとは、もーっと微量で繊細な点滴管理をしてくれる機械のこと。なんと一時間に0.05〜60.0mlの範囲!
小児科の場合は、小さな子どもの体表面積にあわせてとても微量なさじ加減で薬剤の量が決められる。
点滴管理はほぼこれらのポンプが使われるだろう。
機械の設定は看護師が触るので無関係だと思うし、操作手順がわからなければ簡単には設定を変更することはできない。
でも油断することなかれ!少し大きくなってイタズラ心が強い記憶力の良い子どもや機械モノが大好きな子どもは、看護師の操作方法をしっかり観察していて覚えているかもしれない。
点滴の設定が変わってしまうと命にかかわることもあるので、ポンプには触らないように注意しよう。

酸素チューブ

手術後であったり低酸素血症になってしまった場合は、酸素カニューレ(カヌラ)や酸素マスクが装着されることもある。
大人なら必要性が分かっているため、説明を受けたあとは殆どの人がおとなしく装着しているだろう。
(時々高齢者の方で、マスクやカヌラが嫌で無意識であったりもしくは意図して外す人もいるけど…)
小さい子どもは特に、不快な処置を我慢できない場合がある。
酸素を吸入しなければ脳や全身の細胞に酸素が行き渡らない状況になっていても、酸素チューブが嫌で外してしまうことも。
子どもの気持ちも汲みながら、繰り返し説明して装着してあげよう。
不要になれば必ず外してもらえるから、それまでの辛抱だよ。
またチューブが首に巻いて絞まらないようにも注意してね。横で見てたらまぁないと思うけど念のため。

心電図モニター

心電図モニターは、胸に3つの電極を貼り付けて、電波を飛ばして心電図をナーススーテーションで観察できるようにする機械だ。
どんなときに使われるかというと、簡単に思いつくのは循環器系の疾患で心電図を観察しなければいけない場合だね。
その他にも、手術から帰ってきてしばらくはやはり必要だ。術式や麻酔の種類によって、病院のルールで決めれた時間は装着し続けなければならない。
大抵は翌朝の医師の回診時ぐらいまでかな。
それ以外の場合は、特定の薬剤を使用するとき。
例えば、一般的にアレルギーが出やすいものがあって、その薬剤の初回治療の際にはアナフィラキシーショックになってしまう前に、心電図でチェックしたり部屋から離れていても誰かがナースステーションでいち早く察知できるように使用することがあるよ。
もちろんそんな薬剤を使用する場合は、最初は少量ずつから流していくため、輸液ポンプやシリンジポンプがセットでついてくる。
時々、体の中にどれだけ酸素が流れているかを測る機械を指先につけることも。
もうベッドの上はコードだらけでクチャグチャだ。
異常の早期発見のためにも、電極を外したりコードを抜いたりしないように注意しよう。
いや、気になる気持ちは本当によく分かるんだけどね。
リンゴは比較的かしこくしており剥がすことはなかったが、コードが絡まっていつもグチャグチャになっていた。
その都度ほどくの大変だったな…

転倒・転落

これも非常に多いし、とても危ない。
小児のベッドは、子どもの発達段階に応じて普通の大人と一緒のベッドの場合もあるんだけれど、
幼児までの場合はほぼ確実に柵付きのベッドだ。

ベビーベッドを大人と同じ大きさくらいに大きくして、高さも大人の腰ぐらいの高さまである。
柵にはもちろんレバーやロックがついていて、子どもの腕の長さでは簡単に下ろせないようになっているだろう。
しかし大人が一緒に添い寝したりできるようになっていて、保護者は柵の下ろし方などを最初に説明を受ける。
ここで一番危ないのは、保護者が一緒にいて油断し、柵を下まで下ろした状態で一瞬目を離すことだ。
ちょっと横や後ろを向いた瞬間や、病室内のすぐ隣の洗面台に手を洗いに行った隙などにベッドから転落する事例がとても多い。
もともと病気で入院している弱っている子どもが、大人の腰の高さから地面に落ちたら大変なことになる。
ベッドからの転落は本当によくあるので、一瞬でも目を離さないこと・席を離れるならどんなに短時間でも近距離でも、柵を一番上まで上げること!!
そして柵を上げていても、布団や荷物などを積んだら乗り越えられてしまうため、ベッド上は平たく整理整頓を…
うるさいようだけど、本当にこれは肝に銘じておくことをオススメする。

連れ去り・盗難

病院は安全なところであると信じている。そして、そうでなければならない。
でもどんなに病院側が対策していても、スタッフがうろついていても、不審者は現れることがある。
決して子どもを一人にして長時間出かけないように…
日中は親が一人で付き添いしていることが多いと思うが、親もトイレに行くし、ご飯を買いに売店へ行くこともあるだろう。
トイレに行く程度だったり、移動範囲が病棟の中である場合は構わないけれど、院内であっても病棟を数分でも離れる場合は看護師に声をかけよう。
ただ看護師に声をかけたからといって、何十分も離れたり、子どもを残して家に帰ったりはしないように。
病院は託児所ではないし、常に看護師がベッドサイドに確認に来てくれるわけではない。(もちろん気にはして訪室する頻度は増やそうと努力するけどね。)
やむを得ない場合は、できるだけ早く用事を済ませて帰ろう。
先程述べた危険な医療機器をいじらないように、移動時間はお昼寝タイムにするなど工夫が必要だ。
また貴重品はかならず鍵付きロッカーに入れておこう。
あってはならないことだけれど、盗難もないことはない。病院側は盗難に関しては責任を負わないことが多い。
念には念を…

怖いことばかり書いて脅したみたいになってるけど、頭の片隅に置いておいてくれたらいいな。

今回はここまで。
次回は、入院生活に必要なものや、リンゴの入院生活で役立った便利アイテムなどを紹介します!

☆子どもの入院についてシリーズ☆
第2回:子どもが入院!!病棟ってどんなところ?その2 〜子どもが入院したときに必要なもの〜
第3回:子どもが入院!!病棟ってどんなところ?その3 〜病棟ってどんなところ?〜
第4回:子どもが入院!!病棟ってどんなところ?その4 〜病棟での1日の過ごし方〜