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たそりんご

アレルギー食物負荷試験に挑戦!

絵日記

2016
9/22

[記事公開日] 2016/09/22
[最終更新日] 2019/03/07

ついにリンゴと卵の初試合を迎えた。
2016年9月1日。実際にゆで卵を与えてみる ” ゆで卵負荷試験 ” というものをしてきた。
負荷試験って聞き慣れない人もいるだろう。
その負荷試験てどういうものなのか・どのように進んでいくのか・果たして卵とリンゴの関係はどうなったのか!?をレポートします。

アレルギー食物負荷試験とは?

その名の通りアレルギーがでる原材料で負荷をかけて、症状がどの量でどの程度出るかを実際に食べてみて調べるテストのことだ。

どんな人が対象なの?

このアレルギー物質の負荷試験には条件があって、採血データが落ち着いていること・体調がいいこと・月齢も経過して腸管機能が整ってきて、そろそろ食べても大丈夫だと医師が判断した場合などにGOサインがでる。

過去にアナフィラキシーショックが起こり、次食べたら死亡に至るかもしれないという場合は、絶対に実施されることはない。
一度聞いたことがある人もいるかもしれないけど…例えば、蜂に一度刺されて難を逃れても、次刺されると免疫が過剰反応して重篤なアレルギー反応が出てしまうというのが有名だね。
あとは、抗生物質やアスピリンなどを使ってアレルギーが出た場合、医療機関にかかったときには禁忌薬剤として必ず伝えてねといったようなものも同じ。
一度命の危機に遭遇したことがあって、採血データ上でもケタ外れでぶっちぎり数値が高くて、一生食べられないと言われるものがある。
例えば、そばやピーナッツ・甲殻類など、強いアレルギーが出やすい特定の食物がある。
それは残念ながら、負荷試験を行うことはできない。
でもピーナッツアレルギーがあって、他のナッツ類のクルミやアーモンドなどもアレルギーが起こるのか調べることは意義がある。
そのため、アレルギー食物に似た食物に負荷をかけて、それは食べられるかを調べるためにも負荷試験を行うことがあるよ。

また、比較的軽いアレルギーで口の周りや体に発疹が出る程度ならば、わざわざ病院で負荷試験をすることは稀である。
リンゴの場合は過去に乳もアレルギーがあったが、それこそ口の周りが少し赤いポツポツが出るだけだった。
乳に関しては、医師が許可したものや量を(病院の開いている平日の午前中に)少量ずつから自宅で試してみるだけで済んだ。
この場合は大掛かりな負荷試験をする必要はない。

リンゴの場合は卵アレルギーなので、今回負荷をかける食物は医師の指示で ” しっかり固茹でした ゆで卵 ” に決定した。
量を測りやすいし、単にオボムコイド全体がダメなのか・加熱したものなら大丈夫なのかが分かりやすいもんね。

同意書まで準備されています

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医師が判断し負荷試験を実施することになったとしても、最終判断するのは保護者である。
心配でまだしたくないなら様子を見てもいいし、無理にやってアレルギーが強く出てしまったら人のせいにしたくなるよね。
そういうことを回避するためにも、最終判断は保護者である親が全責任を負う。
医療は全て、インフォームドコンセント(説明と同意)をもとに実施される。
簡単な治療ならいちいち書面で残す必要はないけど、やはり命をかける治療を行う場合は、きちんと目的と合併症(起こりうるリスクなど)を説明してもらわなればならないし、それを聞いて保護者が同意しなければ ” そんなの聞いてない! ” などの、言った言わないの世界になって訴訟にもつながるからね…
(他の理由としては患者には関係ないけど、診療報酬の算定という病院側の都合で、同意書をとって実際に登録した医療従事者がその治療をしているということをどうのこうのなんたらかんたら…)

持っていくもの

前回の記事にも書いたけど、以下のものが必要となります。

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  • 指定された食物
  • 飲み物
  • 割り箸
  • スプーン

実際に食べさせる食べ物は、もちろん保護者が持参するよ。
ゆで卵はしっかり茹でよう。
病院によってきちんとリストアップされているはずなので、指定されたものを持っていこう。
使い慣れたものを持っていくと、子どもも安心するよ。

余談だけど一番困るのは、食わず嫌いになっていて食べてくれない可能性があることだ。
アレルギー食物は除去していると、その負荷食物を食べること自体が初めてなので恐る恐るになるよね。
いざ食べさせようとするが、慣れない場所で知らない大人に囲まれ、親も緊張しながら食べさせるという異様な環境で、食べ慣れない未知の食物を易々と食べるだろうか?
大人なら意味が分かっているから恐る恐る食べるだろうけど…
しかし食べないと何にも始まらないので、機嫌を損ねないようにおだてて食べてもらうしかないね。

あと持ち物リストには挙がっていなかったが、何枚か着替えやビニール袋を持っていった。
リンゴの場合はアレルギーがでるとまず嘔吐するので、服がゲロまみれになる。
吐物を受ける用の袋と、すすいでボトボトになった服を持って帰るための袋を準備しておくと安心。

しっかり茹でた固ゆで卵を持っていこう

ネットでググって、卵黄の中までしっかり火の通ったゆで卵を作る茹で時間を調べた。
tasoringoは臆病なので、念には念をと20分も茹でた。笑
実際にはそこまで茹でる必要はないのかもしれないけれど、万が一何かの加減で少しでも半生になっているかもしれないと思うと、余計に茹でてしまった。
そして1個だけ茹でるのはガスと時間がもったいない気がしたので、自分がお昼に食べるようにもう1つ茹でた。
結果的にそれが案外良かった。持っていく予定のゆで卵がしっかり固まっているかを実際に割ってみる前に、私が食べる予定のもので確認することができたからだ。
一緒に茹でたやつをパッカンしてみて、それで茹で時間が足りなかったら本番用のをもう少し茹でたら大丈夫。

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うん、OK!
リンゴ、コレ本当に食べられるのかしら…
当たり前だけど、衛生面の観点からも卵は病院に行くギリギリに茹でよう。

病院での流れ

身長・体重測定

前回の受診期間から大きく開いていなければ省略する場合はあるけど、基本的には身体測定は小児の場合必須。
身長・体重から体表面積を割り出して、投薬する薬の量を決めるんだ。
特に小さい子どもは成長の振り幅が大きいので、体重などは頻繁に確認されるだろう。

診察

今日の体調や本日負荷試験を実施できるかなどの再確認を医師が行う。
リンゴは少し風邪気味で咳と青っ鼻が残ってたけど、熱もなく元気にこども園に通っているため実施許可がおりた。
そして同意書を渡して、複写になっている1枚はカルテ取り込み用として病院が持っていき、もう1枚は患者控えなので返却された。

持ってきた卵セットを渡す

お茶以外の全てを渡したら、病院スタッフと医師が卵を綿密にグラム単位で刻んで準備する。

点滴の針を入れて、万が一の事態に備える

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私たちの業界では、通称 ” 生食ロック(ヘパロック)でルートキープ ” という処置を行う。
なんのこっちゃ?かというと、あらかじめ点滴の針を静脈内に留置しておいて、ショック状態に陥った場合いつでも静脈注射や点滴ができる状態にしておくことを言うよ。
針と言っても、サーフロー留置針というものはカテーテルの一種で、フッ素樹脂でできている。
血管内で曲がっても突き破ることがない、しなやかな針なので大丈夫。
またシーネという添え木をして包帯でグルグル巻きにしておくことで、子どもがいじくって自己抜針しないように配慮してくれるよ。
隠された刺入部をリンゴが指差して「アンマン、アンマン」と言っていた。こっそり覗いてみると、アンパンマンの絵を描いたテープで固定してくれていた。

いよいよ負荷試験開始

準備が整ったら、ついにドキドキの負荷試験が開始される。
最初はものすごく小さい欠片から始めて、何もなければ徐々に大きくしていく。
最終的にはトータルゆで卵4分の1個を食べきることができれば本日の目標はクリアだ。
この目標はに個人差があり、もちろん医師の判断である。

実際に食べさせるのは保護者

今まで ” 毒 ” のような扱いで長年避けてきた卵。
そんな毒をかわいい我が子に盛るような気分になるので、自分の手で食べさせるのは少し抵抗があった。
でも医師のお墨付きをもらった。一歩踏み出すチャンス。
何かあればすぐ対応してくれる。まさにコーン2分の1個程度の大きさのものじゃないか。
そう言い聞かせてリンゴに食べさせた。

一口食べては20分(量が増えたら30分)観察を繰り返す

アレルギー食物をごっくんして、タイマー開始。
次の20分までになにも起こらなければ、また量を増やして20分観察していくという手順だ。
観察中は絶対に子どもから目を離してはいけない。
医師は他の患者を診察しているが、その間に何かあれば診察途中でもスタッフにすぐ声をかけるよう言われた。
リンゴと私は待合でテレビを観たりおもちゃで遊んだり、他の食物負荷試験中の子どもの保護者とお話をしたりして過ごした。
次のタイマーが鳴るまでは気を抜けない。特に重篤な症状としては、急に呼吸がおかしくなったり咳がひどくなったり、意識を失ったりすることだ。
ドキドキしながら過ごした。
卵が大きくなるにつれて不安も大きくなる。
こんなに卵を食べたら次絶対吐くんちゃうか…とヒヤヒヤしながら、私の心配はよそに試験は順調に進んでいった。

卵って美味しい!!

冒頭に、食わず嫌いだったらどうしようということをチラッと書いたけど、食に対する意識が高いリンゴには無用の心配だった。
最初の一口は恐る恐るだったけど、一口パクリとしたら、ニヤッと笑って「早く次のんちょうだい!」と言わんばかりに催促してきた。
逆に困ったのは、いつまでも味わっていたがために卵白を大切に口の中で舐めていて、なかなか飲み込もうとしてくれない。
「ほら次もあげるから、カミカミゴックンして!」と急かしてみたり、時々お茶で無理矢理流し込み、やっとの思いでタイマースタートとなった。
そりゃ美味しいよね。今まで食べたことのない濃厚な食べ物だもの。
周りのみんなが美味しそうな顔をして食べていた、悲願の貴重な卵だ。
下手したらまたしばらく何年も食べることを許されないかもしれない。
そう思ったらせっかく味わっているのを邪魔したくはないけど、これがクリアできたらいつでもあげるからねと言い聞かせて、次の一口に挑んだ。

最後の一口を食べて、1時間待機し何もなければクリア

最後は今まで食べた総量と同じだけの量を、一気に1回で摂取する。
これで1時間様子を見て何もなければ本日の負荷試験は完了となる。
念のために留置しておいた点滴の針は、最後の診察の後に抜いてくれる。
そして帰宅後にもし遅発性のアレルギーが起これば、夜間小児診療の当番であるこの病院に救急で受診する旨を伝えられ、1か月後の次回予約をとって会計をして本日は終了。
13時に再診受付をしてから精算の伝票が渡されるまで、この間約3時間半…ずっと小児科から離れることなく過ごした。
拷問のような、我慢比べのような長い闘いだったが、ついにリンゴはゆで卵をトータル4分の1個を無事に食べきることができたので、大きな一歩前進となった。

リンゴのゆで卵経口負荷試験の記録

  1. 13:30 ゆで卵 0.3g
  2. 13:50 ゆで卵 0.6g
  3. 14:10 ゆで卵 0.9g
  4. 14:30 ゆで卵 1.4g
  5. 14:50 ゆで卵 2.7g(16分の1個にあたる量)
  6. 15:20 ゆで卵 5.9g(8分の1個にあたる量)
    結構デカくて絶対吐くかと思ったけど、無事なんともなく食べきった。
  7. 16:25 問題なく、結果は陰性。ゆで卵合計11.8g、4分の1個にあたる量

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自宅での卵のすすめかたの指示を受ける

病院では管理体制バッチリの状態でゆで卵4分の1個を食べたけど、自宅では何が起こるか分からないので、念のため卵は8分の1個(6g)から試してくださいと指示が出た。
また、お菓子やつなぎなどで入っているものは食べてもいいと許可があった。
これで食品の表示をあまり気にせず購入することができる!!わーい!おめでとう!
…と言いたいところだが、何を食べたときにどんだけの量でどんな症状が出たかは把握しておかなければならないので、
結局は卵が入っているかを確認して食べさせなければいけないのは変わりないのであった…。
そして卵を試すのは、離乳食のときに初めての食材を与えるときと同じで基本中の基本だけど、体調のいい日で少量ずつから始めること。
またできれば朝ごはんなどの午前中にして、病院にすぐ行けるときにあげるよう心がけている。
食べさせた朝はこども園の連絡帳に必ず ” 今朝クリームパンを食べさせたので、9時頃までに何もなければ大丈夫だと思います ” と記載している。
晩ご飯に卵を登場させるときも、ごくわずかな量から始めている。
最初にアレルギーが出たときは、食後にお風呂に入って血行が良くなってしまったせいか、強く反応が出てしまったのでご飯は風呂上がりが望ましいね。
またその曜日の夜間の小児救急の当番病院はどこかを把握しておくことも大切だ。

2016年9月18日現在で、リンゴが食べた卵の数々

早速リンゴに少しずつ卵を味わってもらおうと、少しずついろいろな食材を試してみた。

  • アンパンマンのスティックパン:2分の1本→OK
  • バームクーヘン:親指の指第一関節大を1つ→OK
  • パン屋さんで買ったデニッシュ生地のクリームパン:2分の1個→OK
  • 煎り卵:ティースプーンに2杯程度→OK
  • ミスドのドーナツ:3分の2個→OK
  • マクドの三角ももクリームパイ→OK
  • チャーハン:こども茶碗1杯→OK
  • クッキーやビスケット類(2枚程)→OK

卵アレルギーを克服した子どもがいる先輩ママがいつも、「うちの子も小学校までには普通に食べられるようになったから、そのうち治るで!!」と言っていた。
卵アレルギーはいつか治ると有名で話には聞いていたが、最初は慰めや気休めにしか聞こえず、先が見えない除去期間を過ごしていた私は、本当に食べられるようになるのか疑っていた。
でもやはり経験者の意見は正しかった。こんなにも食べられるものが、しかも次回予約の1か月も経たずにクリアできているではないか!!
順調に確実に数をこなしていっている!!嘘みたい!!!!凄いぞリンゴ!
今まで本当にダメだったのに、こんなにもあっさりと卵が食べられるなんて。
一つクリアするごとにもう嬉しくて嬉しくて仕方がない…!!
今までよく我慢して頑張ったね、リンゴ(と私)。

しかし油断は禁物。
先日リンゴが熱を出し、パパに有休をとってもらって子守を頼んでいた。
何を思ったか、コアラのマーチを4、5個ほど食べさせて嘔吐したと報告が…
体調が悪い時には新しい卵食材を(しかもたくさん)挑戦しないのが鉄則なんだけどな…
コアラのマーチが合わなかったのか、単に数が多すぎたのか、熱のせいなのか…
何も分からないからね。皆さんは気を付けてください。

おわりに

家で少しずつ試していってる段階なので、給食のメニューはまだ卵を除去した内容のままだ。
引き続き卵アレルギー食の指示書をこども園に提出し、有効期限は半年間として更新した。
これから量も種類も増やしていって問題なければ、給食も少しずつ除去メニューへ移行していく。
そこまでしてやっと卵アレルギー克服となる。
まだもう少し道のりは長いが、確実に進んでいっている。
これからも気を抜かずに、家族親戚にも情報提供しながら皆で協力して卵アレルギーを乗り越えていきたいと思います。

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